レガシィのタイミングベルト交換費用はなぜ高い?【元整備士が解説】

レガシィ

「タイミングベルトを交換する必要があるのはわかるけど、、お金かかるなぁ。。」

「なんでスバル車のタイミングベルトの交換は料金高いの?」

このような疑問にお答えします。

この記事を書いている私は、スバルの整備士を6年間やっていました。

自分の車はもちろん、スバル車のタイミングベルト交換を何十台も作業して、お客さんにも直接説明してきました。

これから説明する記事内容の信憑性にも繋がると思いますので、是非最後までご覧ください。

なぜ整備士を辞めたのか、詳しいプロフィールはプロフィール【このブログ運営者はこんな人です】にありますので、気になる方は是非ご覧ください。

レガシィと同じエンジン「EJ20」を積んでいるインプレッサ

タイミングベルトとは、自動車のエンジンに必ずと言っていいほど付いている部品です。(現在はタイミングベルトがないエンジンが増えてきてます)

しかし、車のボンネットを開けエンジンルームを覗いてもこの部品は見る事はできません。

エンジンの様々な部品を取り外して、ようやくタイミングベルトが見え、交換作業ができます。

これから、レガシィ(スバル車)のタイミングベルト交換費用はなぜ高いのか、わかりやすく解説していきます。

レガシィのタイミングベルト交換費用はなぜ高い?

レガシィのタイミングベルト交換費用はなぜ高いか、結論から言いますと、

・部品数が多い特殊なエンジンを使っている(水平対向エンジン)

・タイミングベルト以外にも、一緒に交換する部品が多いからです。(一般的なエンジンよりも多い)

これはレガシィだけに限った話ではなく、「EJ20」と言うエンジンを使った、スバル車全体に言えることです。

詳しく解説していきます。

高額な理由・部品数が多い水平対向エンジンを使っている

こちらはタイミングベルトが無い新型の水平対向エンジン「FB25」

スバル車は一般的なエンジンと比べて特殊なエンジン【水平対向エンジン】を採用しています。

これは、聞いたことがある方もいると思います。

前述したとおり、タイミングベルトはエンジンに付いている部品ですので、エンジンの形状が変わればタイミングベルトの構造、それらに付随する部品の位置、個数も変わってきます。

下の図はスバル、レガシィに採用されている水平対向エンジンを正面から見た、超簡単な構図です。

注目して欲しいのは「カムスプロケット」と呼ばれる部品(歯車)を4つ採用しているところです。(ただの○ですが一応、歯車だと思ってください・・・笑)

続いて下の図は、一般的なメーカーが多く採用している直列エンジンです。

一般的なエンジンはカムスプロケット(歯車)を2つしか使っていません。

スバルが採用している水平対向エンジンは、カムスプロケットを4つ使う分、低重心で振動が少ないと言ったメリットがあります。

しかし部品数が多くなるというデメリットもあり、カムスプロケットと言う部品を1つ増やすだけでも、他に多くの部品が必要になってきます。(シリンダーヘッドやガスケット、オイルシール他)

これだけでも、レガシィが採用している水平対向エンジンは、一般的なエンジンに比べて、取り付いている部品数が多いのかがわかります。

取り付いている部品が多いということは、年数によって痛んでくる部品が増える=交換部品が増えるということです。

交換部品が増えれば、金額もその分掛かります。

タイミングベルトと一緒に交換する部品が多い

「タイミングベルト交換」と言っても、実際はタイミングベルトだけを交換する訳ではないんです。

タイミングベルト交換作業の中には、先ほどの図に載っているカムスプロケットクランクスプロケットを外すと見えてくる、オイルシールというゴムの部品も一緒に交換します。

またオイルシール以外にも他の部品も一緒に交換するので、余計にお金が掛かるんです。

・なんで他の部品も余計に交換しなくちゃいけないの?

・タイミングベルトだけの交換じゃダメの?

他の部品も一緒に交換する理由は、その部品が痛んできてるリスクがあるのと、トータル的にタイミングベルトと一緒に交換した方が安く済むからです。

下の図は、先ほどの図をもう少し詳しく書いた、水平対向エンジンのタイミングベルトの構図です。

タイミングベルトはいろんなスプロケットプーリーと言った歯車に巻きついて、高速で回転しています。

赤い→で示した部品を「プーリー」と言い、先ほど「一緒に交換した方が良いよ〜」と言ったオイルシール以外に、タイミングベルトと一緒に交換している部品です。

このプーリーは常にタイミングベルトと一緒に回転していて、年数や走行距離によって痛んできます。

このプーリを交換せずにタイミングベルトだけ交換した場合、後々このプーリーが痛み出した時、タイミングベルトを外さなければ、交換や修理ができないんです。

これはオイルシールにも同じことが言えます。

もし、タイミングベルトだけを交換し、プーリーやオイルシールが後々痛んできて修理が必要となれば、お金と作業時間が余計にかかります。

実際に私が現役で整備士をしていた実例があります。

「エンジンルームから変な音がする」と来店してきたお客さんがいました。

そのお客さんは少し前に、違うお店でタイミングベルトだけを交換してもらったとのこと。

車を見てみると、タイミングベルトと一緒に回転しているプーリーから音がする・・

私「タイミングベルトと一緒にプーリーとか交換しましたか?」

お客さん「していない」

私「・・・」

もう一度、冷却水をエンジンから抜いて、他の部品も外して、ようやくタイミングベルトが見えてきて、そしてそれを外して、音が鳴っていたプーリーを交換したことがありました。

掛かった費用は、プーリーの部品代、冷却水代金、その他にも、一度外したら再使用できない部品、そして交換に掛かった工賃・・・・6〜7万円はしましたね。

結果的にその車は、タイミングベルトを2回外すという、余計な工賃と時間が掛かってしまったのです。

作業時間も1、2時間では終わりませんので、お客さんの車を工場に置いていってもらいました。

音が鳴ったままのプーリーを、そのまま使用し続けると、最悪エンジンの破損に繋がります。

エンジンがダメになると10万円代では済みません。

もちろん全ての車が同じ症状が起きるとは言いきれませんが、プーリーを無交換で長く乗る上ではリスクがあります。

タイミングベルトと一緒にプーリーオイルシールを交換する理由は以上の通りです。

壊れてからでは遅いですし、タイミングベルトと一緒にプーリーやオイルシールを一緒に交換した方が、余計な心配もお金も掛からずリスクがありません。

レガシィのタイミングベルト交換費用なぜ高い?【まとめ】

いかがでしたか?

レガシィのタイミングベルト交換費用がなぜ高いかについてまとめました!

結論は以下の通りで、

・水平対向エンジンという構造的な理由(部品数が多くなる)

・タイミングベルトと一緒に交換した方がいい部品があるということ

以上の2点です。

もちろん「近々、他社に乗り換える予定なので必要最低限のタイミングベルト交換だけでいい」というのも有りだと思います。

ただし、上記で説明したリスクもあるということは是非覚えていて欲しいです。

またタイミングベルトの、どの部品に大体いくら金額が掛かるのかについてレガシィ タイミングベルト交換費用12万円は妥当?に詳しく記事にしました。

こちらも是非ご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました